指導方針
昨今のさまざまな社会の変化から、
子どもには「正解のない世界」がほとんどなくなってしまいました。
アトリエでは、自らの意思で考え、自分の中だけにある答えと向き合う経験を提供します。
人生の局面では、ひとつ決まった正解など、ないことのほうが多いのですから。
- 優劣がつけにくい抽象作品づくりを大切にします。
- 結果ではなくプロセスを尊重します。子どもが夢中になり、表現できる環境をつくります。
- 先生、生徒の関係だけでなく、子どもの目線に立つことを大切にします。
- 子どもたちが自分で考え、行動することを重視します。
できるだけ強制せず、子どもが納得して行動することを待ちます。 - 子どもが進んで参加したくなるようプログラムを洗練します。
好奇心を学びの入り口に変える秩序を用意します。 - 保護者の方とともに長期的視点で子どもの成長を見守り、活動を通じたお子さまとの関係で子育てをサポートします。
毎回(毎週)違うカリキュラムを実施しています。
漠然と造形活動をこなしても創造力は育まれません。
4つの要素を踏まえたカリキュラムを6年分計画しています。
年代に合わせて考えられたカリキュラムなので、1歳から在籍しても小学生まで全く同じ活動はありません。
毎回子どもたちは新鮮な気持ちでわくわくしながら活動に取り組んでいます。
年代別のカリキュラム
同じ作品制作でも子どもたちの成長や発達に応じて、難易度や重点を変えて活動を進めています。
また年代別に全く違う作品制作の場合もあります。
それぞれの時期に経験して欲しいことやチャレンジして欲しいことを踏まえたカリキュラムです。
形のテーマにそったカリキュラム
カリキュラムは、「形」をテーマにした造形活動です。
椅子に座って作業をするだけでなく、全身を使った遊びの中で、さまざまな形が持つ特性を学びます。
赤ちゃんは、初めて出会う物体を五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)によって知ろうとします。
より正確に、より多くの情報を得るため、できるだけたくさんの感覚で対象を探求します。
形の特性を発見するよろこびは、表現する欲求へつながります。
球→円柱→立方体→...角度によって、円柱は球と同じ円に、円柱は立方体と同じ四角に見えます。
こうして形の特性に「つながり」をもたせ、順に活動を展開していきます。
単純な形から複雑な形へ、つながりを体感する中で、子どもは身のまわりのものが宿す関係性を知ります。
やがて形と形だけでなく、人ともの、人と自然、人と人、といったあらゆる「つながり」を感じとっていきます。
大切なのは、つながりを子どもが自ら発見すること。成功体験の積み重ねは、新しいチャレンジや人とのコミュニケーションなど、どんなことにも積極的に取り組む意欲へとつながります。
個々の経験や知識を結びつけ、社会の中で活かす"楽しく生きる力"を、次第に身につけていくのです。
もっとも単純な形を多彩な活動で認識する
どこから見ても同じようにみえる球は、もっとも単純な形です。
投げたり、転がして生まれる動きも、予測しやすい規則性があります。
多様な活動を通して、もっともベーシックな形の特性を体感していきます。
転がす/積む遊びで動と静の性質を知る
球と立方体の、相反する要素を持つのが円柱です。
見る方向により、輪郭が球と同じ円にも、立方体と同じ四角に見えます。
球のように転がすことも、立方体のように積むこともできる形です。
動と静、両方の性質を楽しむ活動で、球と立方体とのつながりを感じます。
直線の積み重ねで形を生み出す
球が曲面のみで成り立っているのに対し、立方体は四角形の面と直線、角と、複数の要素で成り立っています。
投げたり、転がしたりしたときの動きを予測するのは難しく、積み重ねることもできる複雑な形です。
球は動きによって生命を感じさせ、立方体は組み合わせることで生命を感じさせます。
2つの形の性質を、比較することで関係性の洞察がさらに深まります。
もっとも単純にして相反する要素を持つ多角形
3つの四角形を角でつなぐと、中に三角形ができあがります。
また立方体を対角に2分しても現れる形です。
三角は最も単純な多角形でありながら、安定と不安定の要素を持った不思議な形です。
三角錐は面で安定させることも、角を立てて不安定な状態にもできます。
造形だけでなく、インド料理の「サモサ」をみんなでつくる楽しいプログラムも用意しています。
多様な形で「つながり」の理解を深める
点と点が連なると線ができます。
線と線がつながり、点が集結すると面をつくることもできます。
面の組み合わせは、立方体や三角錐、円柱といった立体です。
子どもたちは、紙や粘土を使って点と線、面の特性を体で感じます。
理論でなく目の前の素材を自由につなげ、作り上げていくなかで、複雑な関係性を楽しみながら覚えるのです。
体で覚えた形の特性で世界をつくる
ここまでのプログラムで、子どもたちは身をもってさまざまな形の特性を知っています。
複合構成では、それらを組み合わせて新しい形をつくりだします。
積み木や発泡スチロールのオブジェをつかって、ひとつの統一した世界を表現します。
子どもたちが体感してきたものごとのつながりが、ひとつの作品に結実します。
料理・絵画などの幅広いカリキュラム
絵画は、独自の工夫で苦手な子も楽しく、得意な子はより楽しく活動できるように心がけてます。
料理の活動は、活動終了後にご家庭でも楽しめるようにレシピを発行しています。
作品の素材は、粘土・木材・ダンボール・発泡スチロール・石膏など数十種類、絵の具も十種類以上を使いわけています。
集団造形・個人造形を織り交ぜたカリキュラム
どちらの活動も無理なく楽しめるように意識のそろった複数のスタッフがお子さま一人一人にきめ細やかに対応します。
集団制作と個人制作はどちらも大切です。
しかしお子さまによって得手不得手が出やすい分野でもあります。